中古車 査定 相場表

日本のクルマは実によくなった。技術はトップクラス、クオリティは太鼓判だ。だが、この半世紀、日本にはかつてのシトロエンDSのような超理想主義的なクルマは登場しなかった。なるほどプリウスは技術的に優れている。低速で走るかぎりにおいて燃費がずば抜けていい。そいつは認めるにやぶさかではない。しかし、ビートルが世界の大衆軍をこぞってリアエンジンにさせたり、ミニがほとんどのクルマをエンジン横置きFFに変えたような、世界中を動かすほどの多大な影響は与えてはいない。国産メーカーから出てくるのはどれもがオール4の優等生ばかりである。
2012年、米アップルの株価は時価総額で史上最高を記録した。いま、アメリカ生まれでカッコよく見えるのはアップル製品だけだ。どれもプレミアム価格にもかかわらず、よく売れている。それもこれも独裁者であった故スティーブージョブズのセンスをユーザーが支
持した結果である。アップルの製品はジョブズが個人のセンスを押し通して生まれてきた。ジョブズ当人は恐ろしくエゴの強い、強烈なキャラクターであったと聞く。統一感あるデザインや突出したコンセプトは個人の我を押し通すところから生まれる。一方、いまの日本企業はファイナンス優先、役員のコンセンサス重視だが、これまでそれでやってきた企業、とりわけ家電業界はソニーもパナソニックも、日立もシャープも青息吐息。いつクルマ産業がそうならぬという保証はどこにもない。
21世紀の日本車の課題は世界をリードする新しいクルマ像の提示である。そいつはオール4の優等生にはなしえないことだ。新しい価値観を提示するのはいつも少数派の個人だ。ワガママを押し通し、「これがいいから、これで行け!」と主張する人物がいなければ突出した面白いクルマは作れまい。
クルマはそれを創る個人のセンス、意思が魅力の商品であり、作品である。クルマ作りの主査は映画監督のようなものであって、映画は監督しだいなのだ。日本は技術力はあるし、デザインカもあるのに、それをうまくキャスティング、演出するべき監督に個人の意思がないか、あったとしても押し通せていない。結局はオペレーションの問題だ。優れた技術も生きのいいアイディアも、それを合議制のフィルターが受け付けないとなると、生かされないまま萎え衰えて死んでしまう。マーケティング調査でユーザーの動向を調べても無意味だ。いまのユーザーは迷っている。わからなくなっている。決めてもらいたがっている。いまのユーザーは「これだ!」という主張をこそ期待しているのだ。がんばれ!日本車メーカー。

 

 

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